【直面した技術的課題】
従来の工法では、まずPA66プラスチック部品を射出した後、手作業で成形済みのシリコンOリングを装着していました。しかし、自動車の走行時の高頻度な振動により、装着されたOリングがわずかにズレて水漏れやショートを引き起こしやすい課題がありました。そのため、お客様は「プラスチックとシリコンのインサート成形(オーバーモールド)」一体成形プロセスを採用することに決定しました。課題は、PA66とシリコンの結合面が極めて小さく、かつ非常に高い射出圧力下でも隙間なく密着し、剥離しないことでした。
【鈞翔の技術的ソリューション】
- 2色二次射出位置決め金型:まず1号機でPA66プラスチック骨格を射出し、次にロボットアームを利用して骨格を2号LSR液状射出金型内に精密配置します。位置決め精度は±0.01mm以内に制御され、シリコンの漏れやオーバーフローを防ぎます。
- 自己接着性液状シリコン材料の厳選:当社はお客様のためにテストを行い、PA66に対して自己接着性(Self-adhesive)を持つ特殊な液状シリコン材料を選択しました。これによりプラスチック表面へのプライマー塗布工程が不要になり、プライマーの塗布不均一に起因する接着不良を効果的に防止しました。
- 接合面せん断力テストの最適化:特殊なキャビティ排気とゲートレイアウトを設計し、高温射出時にシリコンとプラスチックの溶融接合面で最適な架橋分子交差反応が発生するようにしました。冷熱テスト後も依然として4.5 MPaを超えるせん断強度を維持しています。
【量産効果】
カーメーカーのIP69K最高防水等級検査および自動車部品大手の振動テストに無事合格。従来のOリング手動装着にかかっていた後工程の人件費を削減し、アセンブリの信頼性は100%に向上しました。