一、FDA 21 CFR 177.2600 — 米国食品医薬品局の基準
FDA(米国食品医薬品局)の 21 CFR 177.2600 は、食品に繰り返し接触するゴム製品に使用可能な成分を定めた規制です。この規格では許可された成分リスト(Positive List)が定義されており、シリコーンポリマー本体、充填剤、加硫剤などの添加剤がリストに収録されていなければなりません。注意すべき点は、FDA 認証はメーカーによる「自己適合宣言(Self Declaration)」で成立するケースが多く、第三者機関による試験が必須ではないという点です。つまり「FDA 対応」と表記されていても、実際には詳細な試験を行っていないケースがあります。
二、LFGB §30/31 — EU/ドイツの食品接触材料規制
LFGB(ドイツ食品・飼料法)の第 30 条・第 31 条は、食品に接触する材料について厳格な試験要件を定めています。特にシリコーン製品には BfR(ドイツ連邦リスク評価研究所)勧告に基づく試験が求められ、溶出試験(Simulant Migration Test)として食品模擬液(蒸留水・酢酸溶液・エタノール溶液・植物油など)を用いた溶出量が基準値以下であることを実証する必要があります。LFGB 認証はヨーロッパ市場(特にドイツ・オランダ・スカンジナビア)向け製品では事実上の必須要件となっています。
三、EC 1935/2004 — EU食品接触材料基本規則
EC 1935/2004 はEU全域における食品接触材料の基本規制です。同規則は食品接触材料が食品に移行する物質によって人体健康を害してはならず、食品の成分・風味・臭いを変えてはならないと規定しています。シリコーン製品については特定規制(Specific Measure)がまだ完全に整備されていないため、各EU加盟国の個別規制(ドイツのLFGBなど)が実質的な基準として機能しています。
四、SGS第三者試験 — 独立した品質検証
SGS(Société Générale de Surveillance)は世界最大級の独立検査・認証機関です。食品グレードシリコーン部品の SGS 試験では、一般的に以下の項目が検証されます:重金属(鉛・カドミウム・クロム・水銀等)の溶出量、揮発性シロキサン(D4/D5/D6 環状シロキサン)の含有量、各食品模擬液への溶出量。SGS レポートは数値データとして提供されるため、顧客・バイヤーに対して透明性の高い品質証明として機能します。
五、本物の食品グレードシリコーンを見分ける方法
- 証明書の要求:「食品グレード」を主張するメーカーには、具体的な試験レポート(SGSや同等機関発行)の提示を求めてください。証明書番号・発行日・試験項目・合否結果が明記されていることを確認します。
- 白色フィラー(シリカ)の使用:本物の食品グレードシリコーンは通常、食品安全な補強剤(高純度沈降シリカ)のみを使用し、炭酸カルシウムや他の非食品グレードフィラーは含みません。
- 焼成試験(白煙テスト):業界では非正式な確認方法として、製品を炎で焼いたときに黒煙が出る場合は非シリコーン系素材(例:PVC)の混入が疑われます。ただしこれは参考程度の確認であり、正式な試験の代替にはなりません。
- 臭気:食品グレードシリコーンは成形直後は若干の臭気が残る場合がありますが、一定時間の二次加硫(Post-Curing)後には無臭となるべきです。強い臭気が続く場合は添加剤の品質に問題がある可能性があります。
六、鈞翔実業の食品グレード対応能力
鈞翔実業有限公司は、FDA 21 CFR 177.2600 および LFGB §30/31 に適合した食品グレードシリコーン原料を使用した受託製造に対応しています。製菓用シリコーン型、哺乳瓶ニップル、食品保存容器パッキン、ウォーターボトルシールなど、食品に直接接触するシリコーン部品の開発・量産を承ります。試作段階から SGS 試験対応まで一貫してサポートいたします。食品グレードシリコーン部品の開発・調達をご検討の際は、設計データと使用環境の詳細をお送りいただき、弊社技術チームにご相談ください。